腹をくくった日
2022年3月30日
面をつけて5回目くらいかな。前回の稽古で子供たちと一緒にやったら、本当にしんどかったので、先生にお願いし初心者組は分かれて稽古をさせてもらうことにした。
初心者組は小手に対しての応じ技や、面に対しての応じ技などを習う。コテ返し面、コテ抜き面、コテすり上げ面。ひとつひとつ教えてもらうも、なかなかうまくできない。うまくできないまま、先生の一声で次の相手に向かい合う。
「はい、回って」
「はい、回って!」
「はい、回って!!」
下手なりに、一生懸命稽古をしたつもりだった。面ガードには自分の息でできた水滴がついたし、実際、苦しかったし。
内心、しばらくこのまま初心者だけで稽古が出来たらいいなと思っていた。
稽古終わり先生に挨拶にいったところ、思いもよらない「カツ!」が入った。
「苦しいことから逃げてばかりいたら、いつまでも上達できないよ。」
「苦しきを常とし楽を求めず。覚えておいてください」
辛いから初心者だけで稽古させてくださいなどと申し出たのが宜しくなかったようだ。楽しく剣道をできれば、と軽い気持ちでいた自分の心を見透かされたようだった。何事に対しても楽ばかり求めていた自分が恥ずかしくなった。
限界までやってみよう。苦しくても、身体が動かなくても、ふらふらになっても、格好悪くても、やってみよう。本当にそう思った。
2022年3月30日、腹をくくった日。